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債権回収の重要知識

債権回収の流れ|督促から強制執行まで

「先月中に支払ってもらう予定だったのに未だに支払いがない」「商品を納入したのに、支払われた金額が当初の契約より少ない」
こういったトラブルは意外に多く、決して他人事ではありません。

取引先などの債務者からお金を払ってもらえない場合、何もアクションを起こさないままでは、やがて債権は時効を迎えて消滅してしまいます。
その前に、最悪の場合は企業の経営が継続できなくなってしまうかもしれません。

支払いがない、支払いの期限を守らない相手に対して、企業はどのような対応を行うべきなのでしょうか?
この記事では債権を回収するために行うべき一般的な行動や手順を解説します。

1.債権を回収できない時に債権者がするべきこと

支払いを放置された場合、泣き寝入りせずに以下のような流れで債権の回収に取り掛かりましょう。

  1. 督促
  2. 督促して連絡が取れた場合→交渉や和解
  3. 督促して連絡が取れないか、交渉が決裂した場合→支払督促・裁判など
  4. 強制執行

なお、この記事では便宜上、金銭債務を想定し、お金を支払う義務があるのに支払わない方を債務者、債務者からお金をもらう立場の人を債権者として話を進めていきます。

以降の章で順に説明していきます。

2.督促

まず行うべきは「督促」です。「債務を弁済してください」「お金を払ってください」と債務者へ請求しましょう。

督促の方法はいくつかありますが、それぞれ長所と短所があります。

(1) 郵便

最もよく使われる方法でしょう。
滞納が発生してから間がない時期であれば「支払いがありませんがどうなっていますか?」程度のニュアンスに留めておき、滞納期間が長くなるにつれて「督促状」として強く取り立てを行う文面にしていきましょう。

なお、債務者が法人の場合、封筒に「督促状」「請求書在中」などと書いておくと、郵便物を回収する取引先の担当者が、取引先の代表者に封筒を渡すまでにそれらの文字を見る可能性が高くなります。

何度も督促状が届いている事実が社内に広まることを危惧して、取引先の代表者が督促を止めるために支払いに応じてくれるようになるかもしれません。

債務者が個人であっても、「督促状」「請求書在中」と書かれた封筒を見れば、慌てて中身を確認する可能性は高まるでしょう。

郵便は、相手の状況に構わず送付して督促できる点で便利です。
しかし、郵送コストがかかり、無視される可能性がある点がデメリットでしょう。

(2) 電話での督促

取引先に電話をかけて督促する方法です。電話が繋がれば、その場で交渉するか、アポを取って別途交渉の場を作り、顔を突き合わせてより具体的な話し合いをするなどの展開に持ち込めます。

しかし、電話は無視されるおそれも高いです。
また、録音でもしない限り会話の内容を証明する手段がない点もデメリットです。

(3) メールなどで督促

「とりあえずメールしてみる」という感覚でよく行われている方法です。ショートメールやSNSなどを介して請求する例も増えています。

低コストでいつでも送ることができ、相手にすぐ届く点は有効ですが、問題は、「メールで督促されている段階ならまだ平気」などと軽く扱われがちなことです。

督促の事実を債権者に重く受け止めて欲しい場合は別の方法がいいかもしれません。

(4) 訪問して督促

債務者の会社や自宅に訪問して、口頭で督促する方法です。担当者に会えればその場で話し合いができ、場合によっては金銭の支払いを受けられるかもしれません。

債務者の状況がわかるのもメリットです。少ないケースですが、夜逃げしている、ポストに請求書の束が溢れているなどの事実が判明すれば、それらを前提にして今後の対策を考えることができます。

ただし、会社への訪問は営業時間内しか対応してもらえず、営業時間であっても居留守を使われて無視されることがあります。時間と交通費がかかり、トラブル化しやすいこともデメリットです。

(5) 内容証明(配達証明付内容証明郵便)で督促

内容証明とは、内容証明郵便という特別な方法で郵送する書類です。書留郵便のように郵便配達員が受取人に手渡しで配達し、配達記録が残ります。そのため債務者は「受け取っていない」「郵便事故だ」などの言い逃れができません。

また、内容証明は差出人・受取人・郵便局がそれぞれ同じ文面を保管します。このため証拠能力が高く、裁判などの証拠に採用されます。

さらには内容証明を受け取った債務者が「このままでは裁判になる」「この督促は本気だ」と考えて、支払いに応じることが考えられます。費用はかかりますが、最も有用な督促手段と言えるでしょう。

弁護士に依頼して内容証明を作成してもらえば、弁護士名義の内容証明を送付できます。弁護士名義から督促を受けた債務者が慌てて支払いに応じることも少なくありません。

[参考記事] 内容証明郵便の受け取りを拒否・無視されたらどうすれば良い?

【連帯保証人へ督促】
連帯保証人がいる場合は、連帯保証人に督促しても構いません。債務者自身に資力がなくても、連帯保証人から弁済を受けられれば問題は解決するはずです。
連帯保証人から弁済を受けるときの注意点についてはリンク先をご参照ください。
参考:連帯保証人に対する債権回収(請求)方法

3.督促して連絡が取れた場合

各種の督促をして、債務者と連絡がついたとします。

連絡が取れる場合は一度交渉の場を持ち、支払いの条件を話し合いましょう。「分割払いならできる」「この日になったら確実に払える」と債務者が言ってくる可能性があります。

交渉して合意に至ったら、その内容を書面化すべきです。
書面に大きな法的拘束力を持たせるために、以下のどちらかを選択することをおすすめします。

  • 合意内容を公正証書にする
  • 裁判所で即決和解をする

(1) 合意内容を公正証書にする

公正証書は公証役場で公証人に作ってもらう書類です。

強制執行認諾文言付きの公正証書があれば裁判なしで強制執行(後述)ができます。和解内容を公正証書にしておくことで債務者にプレッシャーをかけておけば、債務者は強制執行を避けるために和解内容の実行に注力するはずです。

弁済がない場合は強制執行に踏み切ればいいので、債権を回収する方法として公正証書は極めて効果的です。

可能であれば、最初の契約時に契約書を公正証書にしておきましょう。

[参考記事] 債権回収における公正証書の重要性

(2) 即決和解をする

当事者が和解した内容に「裁判所のお墨付き」をもらう手続きです。和解内容は「和解調書」にまとめられます。

和解調書があれば、和解の内容に反することが起きた場合に、裁判をすることなく強制執行の申立てができます。

[参考記事] 債権回収の手段としての即決和解

4.督促して連絡が取れないか、交渉が決裂した場合

相手が連絡を無視した場合や、交渉が合意に至らなかった場合などは、裁判所を利用して解決する必要があります。
以下6つの方法があるので、それぞれ説明します。

  • 担保権の実行
  • 仮差押え
  • 支払督促
  • 少額訴訟
  • (通常の)訴訟
  • 訴訟上の和解

(1) 担保権の実行

債務者の財産を担保にしている場合、担保権を実行して債権を回収できます。

例えば債務者の不動産に抵当権を設定しているのであれば、抵当権を実行して抵当不動産を競売にかけ、落札価格から債権を回収します。

担保権を実行するための競売は裁判所に申立てをして行いますが、訴訟における審理などがないため、その分手間と時間を節約できます。

リンク先の記事には担保権の実行の例として「担保不動産競売」が掲載されています。参考までにご一読ください。

[参考記事] 担保不動産競売とは|流れや申立方法などを解説

(2) 仮差押え

仮差押えは、後述する支払督促や訴訟等の前に行う手続きです。

債務者の財産を「仮に」差押えして、債務者の意思で動かせないようにします。こうすることで債務者が自分で財産を処分できなくなります

裁判などが終わったら、仮差押えした財産を本格的に差押えて、その財産を競売にかけるなどして債権を回収します。債権を回収するために債務者の財産を保全するのが仮差押えの目的です。

また、仮差押えをすることで、債務者が仮差押えを解除するために弁済や交渉に応じるという二次的な期待ができます。

仮差押えについては以下のコラムをご覧ください。

[参考記事] 債権回収に向けた仮差押えとは?

(3) 支払督促

裁判所から債務者に支払いを督促してもらう手続きです。

支払督促は債権者の主張のみに基づいて行われ、郵送やオンラインで手続きが完結するなど、債権者にとっての利便性の高い制度です。

相手が異議を述べずに所定の期間が経過した場合、債権者は「仮執行宣言付支払督促」という書類を取得できます。この書類があれば強制執行の申立てが可能です。

[参考記事] 支払督促とは|やり方などをわかりやすく解説

(4) 少額訴訟

元本60万円以下の金銭債務の支払いを請求する場合に可能な制度です。

1回の審理で即日判決が出る迅速な訴訟を提起します。通常の訴訟よりも遥かに早く終結しますが、敗訴する可能性もあるため、入念な準備が必要です。

勝訴すれば債務者に支払い判決が下ります。債務者が判決に従わないときは、判決文を使って強制執行の申立てができます。

[参考記事] 少額訴訟とは|デメリット・流れ・やり方

(5) (通常)訴訟

いわゆる裁判です。場合によっては長い時間と手間と費用がかかります。

裁判に関する内容は多岐にわたるためここでは割愛しますが、勝訴すれば確定判決を取得できます。

相手が判決の内容に従わない場合、確定判決を使って強制執行を申立てることができます。

(6) 訴訟上の和解

裁判の手続き中に裁判官から和解を持ちかけられることがあります。これを「訴訟上の和解」と言います。

有利な和解ができれば裁判を終わらせることができ、敗訴のリスクもなくなるため、和解に応じる債権者も多いです。

裁判官から当事者双方へ和解案が提示され、双方が承諾すれば和解が成立するといった流れで行われることが一般的です。

和解が成立すると裁判所で和解調書が作成されます。和解調書には確定判決と同じ効力があります。相手が和解内容を遵守しない場合、和解調書を使って強制執行の申立てができます。

5.強制執行

裁判などの各種手続きを経た後で行う、債権回収の最終手段です。

債務者の財産を差押えて競売にかけ、落札価格から債権を回収する方法や、預貯金口座を差押えて口座内の残高から現金で債権を回収する方法などがあります。

詳しくはリンク先をご参照ください。

[参考記事] 強制執行の手続きを行う方法|申立書の内容・流れなど

6.確実な債権回収は弁護士へ相談を

督促の方法だけでも多種多様ですし、法的手続きについても「いつ仮差押えをすべきか?」「支払督促と訴訟のどちらをするべきか?」など、債権回収のときは常に選択と判断が迫られます。

最適な選択をするためにも、債権回収は弁護士にお任せください。遅くとも督促用の内容証明の作成時から、できれば契約書の作成段階から、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士は債権回収を見越した契約書を作成可能です。万が一債務不履行があった場合でも、弁護士なら迅速かつ正確に各種手続きの代行をしてくれます。

債権回収にお困りの経営者の皆様は、ぜひ泉総合法律事務所にご連絡ください。

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