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強制執行

担保不動産競売とは|流れや申立方法などを解説

債権を回収する方法のうち、特に住宅ローンの分野で用いられることが多いのが「担保不動産競売」です。
住宅ローンでなくても、債務者の不動産に抵当権を設定している場合は、担保不動産競売を利用して債権を回収できます。

本記事では、担保不動産競売の概要や、実際の手続きに必要な書類やスケジュールなど、担保不動産競売に関することを様々な角度から解説していきます。

1.担保不動産競売とは?

最初に、担保不動産競売の概要を抑えておきましょう。

(1) 担保不動産競売の概要

「担保不動産」とは、抵当権や根抵当権が設定された不動産のことです(この記事では抵当権を念頭に置いて解説します)。
そして不動産競売とは、不動産を競売にかけて売却する行為を指します。

例えば住宅ローンを組む場合などは、その住宅に抵当権が設定されることが普通です。

住宅ローンの債務者が返済不能になった場合、ローンの債権者は抵当権実行して、抵当権を設定した住宅を競売にかけることができます。競売の後、債権者は競売で得られた代金から債権を回収します。

抵当権という担保物権を設定した不動産を競売するため、これを「担保不動産競売」と呼びます。

[参考記事] 抵当権とは|効力や適用範囲の基礎情報・根抵当権との違い

(2) 強制執行による競売との違い

借金を返せなくなった人が、強制執行によって所有する不動産を競売にかけられることがあります。
強制執行による競売を「強制競売」と言います。

「抵当権を設定していない債権者」が行うのが強制的競売です。
抵当権が設定されていない不動産が、裁判所を通じて強制的に競売にかけられます。

[参考記事] 強制競売の基本と流れ

担保不動産競売も裁判所を通じて行う手続きですが、以下の点が大きな違いです

  • 抵当権者が申立てをする(抵当権を設定していないと申立てできない)
  • 申立てに債務名義が不要

強制競売をする場合で申立ての際に必要な「債務名義」については、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事] 債務名義とは|取得方法・時効など

(3) 担保不動産競売に時効はある?

担保不動産競売をするためには、対象の不動産に抵当権が設定されていることと、抵当権によって担保されている債権が存在する必要があります。

まず、債権の消滅時効は基本的に「最後の支払い日から5年」です。5年経過後に債務者が消滅時効を援用する意思表示をすることで、消滅時効が成立して債権が消滅します。

次に、抵当権自体の消滅時効は「権利を行使できるときから20年」です。

しかし、抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しません(民法396条)。抵当権は担保している債権が存在する限り継続します。債権の消滅時効は裁判上の請求(訴訟の提起など)や支払督促など、様々な方法で更新することができます。

[参考記事] 債権回収の消滅時効は?時効期間・完成阻止の方法

実務上はわざわざ時効の更新を行わず、債務者が数ヶ月滞納するなどしたら速やかに抵当権を実行して、担保不動産競売の手続きに入ることが多いです。

5年間と言わず、遅くとも滞納から1年以内には、担保不動産競売に踏み切ることをおすすめします。

2.担保不動産競売の流れ

次に、担保不動産競売手続きの流れやスケジュールをご紹介します。
なお、以下のスケジュールはあくまで一般的な目安ですのでご了承ください。

(1) 競売の申立て

抵当権を設定した不動産の所在地を管轄する地方裁判所に、競売の申立てを行います。必要書類を揃えて裁判所に提出してください。

裁判所によって必要書類が違うこともありますが、概ね以下の書類が必要です。

  • 申立書
  • 当事者目録
  • 担保権目録
  • 被担保権・請求債権目録
  • 物件目録(東京地裁の場合)
  • 不動産登記事項証明書(発行から1ヶ月以内のもの)
  • 商業登記事項証明書(債権者や債務者が法人の場合。発行から1ヶ月以内のもの)
  • 公課証明書(最新の公課及び評価の額が記載されたもの)
  • 評価証明書(非課税不動産の場合)
  • 公図の写し(法務局の登記官の認証がある、発行から1ヶ月以内のもの)
  • 建物図面(法務局の登記官の認証がある、発行から1ヶ月以内のもの)
  • 物件案内図(住宅地図等、インターネットの地図を印刷して物件に目印を書いても可)
  • 不動産競売の進行に関する照会書
  • 委任状(弁護士に代行してもらう場合)
  • その他事件の進行に有益な資料

申立書〜物件目録までの書類は、裁判所のHPから入手可能です。

(2) 開始決定と差押え

申立ての書類や内容に問題がなければ、裁判所が競売開始決定を行います。開始決定は債務者に送達されます。

また、開始決定と同時に対象の不動産を債権者のために差押えする宣言が行われ、裁判所の書記官が法務局に差押えの登記を依頼します。

この登記がされると債務者は不動産を処分できなくなります(ただし使用収益することは可能です)。

(3) 現況調査など(開始決定から1~3ヶ月後)

裁判所の執行官が評価人とともに不動産を訪れて、競売に必要な「売却基準価額」を算出するための現況調査を行います。
たとえ建物に鍵がかかっていても、執行官が開錠業者を連れてきて強制的に立ち入ります。

また、対象の不動産が他の債権の担保になっていないか、他に債権者はいないのかなども調査されます。

(4) 売却基準価額の決定と期間入札の通知(現況調査から2~4ヶ月後)

現況調査の内容に基づいて、裁判所が売却基準価額を決定します。入札希望者は売却基準価額の8割以上の価格で入札する必要があります。

入札が行われる期日が決定され、この頃に現況調査の結果である現況調査報告書、評価書、物件明細書などが裁判所に据え置かれ、誰でも閲覧できるようになります。同時に専用のサイトでも同じ情報が公開されます。

入札希望者はこれらの情報を見て、入札の判断を行います。

(5) 期間入札開始(期間入札通知から約2ヶ月後)

入札が開始され、希望者が入札を行います。

(6) 開札と売却許可決定(期間入札開始から約1週間後)

開札され、最も高額で入札した人が落札します。

落札者が決まると、裁判所が売却許可決定を行います。

(7) 代金納付と所有権移転登記(開札から約1ヶ月半後)

落札者が代金を納付すると、所有権の移転登記が行われます

(8) 配当(代金納付から約1ヶ月)

不動産に1つしか抵当権が設定されていなければ、担保不動産競売をした債権者が、競売の落札価格から債務の弁済を受けます

満額の弁済を受けられなかった場合、足りない部分を債務者に請求できます。弁済後にお金が余った場合は、そのお金が債務者に渡されます。

不動産に複数の抵当権が設定されていた場合、裁判所が代金納付から通常1ヶ月以内の日を「配当期日」として設定します。

配当を受ける債権者と債務者は、配当期日に裁判所へ出頭するよう指示されます。
また、債権者は債権の元本や利息、執行費用の金額などを記載した「計算書」という書類を、配当期日が指定された日から1週間以内に裁判所に提出するように求められます。

裁判所は各債権者の計算書から「配当表」を作り、債権者の配当額を設定します。

配当に異議がある債権者は、配当期日に異議を述べることができます。異議のある部分については配当が保留され、最終的には裁判で争うことになります。

3.担保不動産競売にかかる費用

担保不動産競売にはある程度の費用がかかります。

以下、東京地裁の例です。

(1) 申立手数料

担保権1個につき4,000円
※例:建物と土地にそれぞれに抵当権がある場合、4000円×2となります。

(2) 予納金

現況調査などに必要な人件費です。

請求債権額 予納金
2000万円未満 80万円
※令和2年3月31日以前に受理された申立てについては60万円
2000万円以上5000万円未満 100万円
5000万円以上1億円未満 150万円
1億円以上 200万円

(3) 差押登記のための登録免許税

請求債権額の1000分の4

(4) 郵便切手等

84円切手と10円切手を1組
※追加で必要なこともあります。

4.効率的な債権回収は弁護士へ!

担保不動産競売は債権回収の奥の手です。裁判を経ずに実行できるのが利点ですが、それでも手続きに何ヶ月もの時間がかかってしまいます。予納金が高額なのもデメリットです。

「もっと早く、効率的に債権回収したい」という方は、ぜひ弁護士にご依頼ください。弁護士名義で督促を行うだけでも、債務者に与える効果が全く違います。

万が一担保不動産競売しか方法がない場合でも、弁護士が書類の用意から裁判所での手続きまでほとんど全てを代行いたしますので、どうぞご安心ください。

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