法人破産に強い弁護士に無料相談【東京・神奈川・埼玉・千葉】
安心と信頼のリーガルネットワーク弁護士法人泉総合法律事務所法人破産
0120-759-132
【電話受付】平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:30
お問い合わせ
(365日24時間受付中)
法人破産の重要知識

会社破産すると官報に載る?どこまでの内容が掲載されるか

会社の資金繰りが悪化し、今後、好転する展望がなければ、事業を片付ける手段として破産手続、いわゆる「法人破産」を視野に入れなくてはなりません。

法人破産の手続を行うと、その事実は裁判所によって「官報」に掲載されます。

会社が破綻したことを全国に広く知られてしまうことを危惧される経営者もいらっしゃるでしょう。しかし、官報への掲載を回避して破産することはできません。

掲載が嫌だから破産をしないという選択はいけません。重なった負債を放置すれば、従業員・多数の取引先にも余計に迷惑をかけてしまい、再起するときの障害にもなりかねません。

そこで、「破産情報が官報に掲載される」とはどのようなことなのか、この記事で正確に解説いたします。

1.官報とは?

官報とは、日本国が発行する一種の「機関紙」であり、国が国民に伝えたい事項を掲載する刊行物です。行政機関の休日を除き、毎日発行されています。

官報の内容としては、例えば、新しく制定した法律や政令を掲載して国民に知らしめること(公布)などが、よく知られているところです。

それ以外にも、国会の召集や解散、選挙の実施内容、公務員の人事、国民の叙勲など、様々な掲載事項があり、「官報及び法令全書に関する内閣府令」という政令に掲載事項が定められています。

その中に「裁判所事項」という項目があり、破産に関する情報はここに含まれます。

法人破産の申立てを受けた裁判所が、支払い不能や債務超過などの破産原因があると認めたときは、破産手続を開始する決定を行い、その際に破産管財人の選任や債権者集会の期日など、今後の手続に必要な事項も定めます(破産法311項)。

そして裁判所は、これらの決定事項を「直ちに」公告しなくてはなりません(破産法321項)。
(※実際には、裁判所が原稿を作成し、官報を作成する国立印刷局に原稿を送り、同局が印刷・配布する日数も必要ですので、開始決定から10日間程度後の官報に掲載されるようです。)

これは利害関係者に破産開始決定がなされた事実を知らしめて、権利行使の機会を与えるためです。

また、破産の事実を知らない者が新たな取引関係に入ってしまうなど、第三者が不測の損害を被る事態を防止する目的もあります。

2.何が載る?(法人名・住所・代表者名)

具体的に、どのような事項が官報に掲載されるのかは、実際の例を見ていただいた方が良いでしょう。

法人破産に関する官報の公告例

破産手続開始

次の破産事件について、以下のとおり破産手続を開始した。破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者は、破産者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない。

令和○年(フ)第1234
東京都港区○○町1丁目23
債務者 △△株式会社
代表者取締役 ○○○○
1、決定年月日時 令和○年120日午後5
2、主文 債務者について破産手続を開始する。
3、破産管財人 弁護士 ○○○○
4、破産債権の届出期間 令和○年221日まで
5、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日 令和○年321日午前10

東京地方裁判所

上のように、法人破産の場合、会社名、会社住所、代表者名は掲載されますが、代表者個人の住所は掲載されません

ただ、中小企業では、金融機関の借り入れは、代表者が個人で連帯保証人となっているケースがほとんどであり、会社の破産と同時に代表者の個人破産(自己破産)も申し立てることが通常です。

その場合、法人破産の公告とは別に、個人破産に関する公告も官報に掲載され、そこには代表者個人の住所も掲載されます。

[参考記事] 会社が破産したら連帯保証人は要注意!代表者が負う法律上の義務

3.官報から破産が知られることはあるのか

官報を読むには、主に次の方法があります。

①発行当日の官報は、国立印刷局と各都道府県にある「官報販売所」に掲示されるので、これを読む方法

官報販売所に有料での購読を申し込む方法。

③国立印刷局の「インターネット版官報」サイトを利用する方法。有料で過去の記事を検索することも可能ですが、直近30日分の記事については無料で読むことが可能です。

官報は、見ようと思えば、誰でも見ることができるものです。その意味で、官報から法人破産が知られる可能性は否定できません。

しかし、現実には、金融関係に勤務する方などを除いて、一般の方々が官報の破産情報を読むことは、ほとんどないでしょう。

また大手法人の破産情報は、通常は、むしろ帝国データバンク、東京商工リサーチなどの倒産情報によって伝わります。

なお、公告される事項は官報に掲載されるだけでなく、裁判所から債権者などの利害関係人へ通知されます(破産法323項)。

4.官報公告料(法人の場合)

官報に公告を掲載する費用は、申立人が負担しなくてはならず、申立時に予納金として裁判所に納めます。官報公告料は14,768です(202112月現在)。

5.まとめ

「大切な会社を破産させる」という時には、大きな決断と不安があるでしょう。
ただ、破産は債務から解放して、リスタートさせるための手続です。不安の原因は、手続に対する知識不足に過ぎないことが多いです。

法人破産に対する不安・疑問は、専門の弁護士に遠慮なくご相談ください。

関連するコラム
19 23
【電話受付】平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:30