東京都の本支店一覧

東京都の倒産事情

東京都は、日本で最も多くの企業を抱える都道府県です。全国的・世界的な企業の本社が林立しており、世界の経済・産業・流通・その他様々な面において、非常に重要な場所と言えます。

2020年の東京都の企業倒産件数は、全部で1,392件でした。前年から約11.9%減少しています。

業種別ではサービス業(310件)、卸売業(260件)、宿泊業および飲食サービス業(154件)が多く、この3業種で半分以上を占めています。なお、倒産した企業の総従業員数は7,697人でした。

負債総額は2,392億3,900万円で、前年より36.9%減と、かなりの減少が見られました。

10億円以上の負債を抱えて倒産したケースは53件で、前年より6件減少しています。ちなみに資本金1億円を超える企業の倒産は14件でした。

倒産の原因で最も多かったのは販売不振(1,022件)で、既往のしわ寄せ(106件)、売掛金などの回収難(6件)と合わせて全体の約81.5%を占めており、不況型倒産が大半だったことがわかります。

最も倒産件数が多かった自治体は港区(144件)で、渋谷区(124件)、千代田区と中央区(ともに98件)と続きます。市部ではなく都心である23区内の倒産が多数でした。

倒産の種類の中で最も多かったのが法人破産で、1,280件にも上りました。その割合は全体の約92%にも及び、ほとんどの倒産が法人破産だったと言えます。

以下、特別清算(56件)、銀行取引停止処分(41件)、民事再生(15件)と続きます。会社更生や商法整理による倒産は1件もありませんでした。

東京地裁の法人破産の運用

東京都は全国で最も多く企業が倒産している都道府県でもあります。膨大な数をこなす必要があるためか、東京地裁では法人破産に対して独自の運用がいくつか行われています。

法人破産でも少額管財になる可能性がある

法人が裁判所に破産の申立をすると、通常は「管財事件」という方法で破産手続が進みます。

破産手続にはもう1つ「同時廃止」というものがありますが、こちらは主に個人の破産に対して適用される、費用の少ない方法です。

管財事件の場合、裁判所に最低50万円以上のお金(予納金)を納めなければなりません。経営難で倒産する小規模企業にとって、かなり負担が大きいはずです。

しかし東京地裁が行っている少額管財の場合、このお金が最低20万円からになります。そのうえ手続にかかる時間も短縮されるため、メリットが大きいです。

少額管財が適用されるには、破産申立人が法人破産の手続を弁護士に依頼している必要があります。

申立から破産手続開始決定までの期間が早い

他の裁判所では、申立から破産手続開始決定までに2週間程度かかるケースが多いです。

しかし東京地裁には「即日面接」という制度があります。申立書類を提出した当日または3日以内に裁判官と弁護士が面談を行い、申立をした週の翌週水曜日には破産手続開始決定が出る運用となっています。

決定までのスピードが早い場合、いくつかのメリットを受けられることがあります。

例えば税金を滞納しており、いつ会社の資産の差押えを受けるかわからない場合です。即日面接によって迅速に破産手続開始決定を受ければ、差押えを回避することができます。

なお、即日面接も弁護士が代理人となっている場合に限った運用です。弁護士がいない場合は、破産申立人と裁判官が面談を行う「破産審尋」が行われます。
申立をした日とは別の日に面談日が設定されることがあるため、破産手続開始決定を受けるのが遅くなってしまいます。

【東京以外の企業でも東京地裁で破産ができる可能性】
破産の申立は、法人の住所地を管轄する裁判所に行うことが通常です。しかし例外的に、かつては日本全国どこの企業でも、東京地裁に破産申立ができました。
現在では運用が厳格化されましたが、何らかの特殊な事情があれば、東京都に所在していない企業でも、東京地裁に破産申立をできる可能性があります。
本来の管轄外なので申立が認められる可能性は低いですが、気になる人は弁護士に相談して、見込みがあるか確認しておきましょう。

東京都で法人破産をするなら弁護士へ

法人破産を弁護士に依頼するメリットには様々なものがありますが、東京地裁で法人破産をする場合、そのメリットがさらに大きくなります。

例えば弁護士に依頼していれば、少額管財になる可能性があります。費用の負担が減り、迅速な手続で早く破産ができます。

また、即日面接が行われるのも弁護士がいる場合のみです。早く破産手続開始決定を受けることで、差押えの回避などのメリットを受けられます。

そもそも東京地裁は、破産手続全般について、弁護士への依頼を前提とした運用を行っています。裁判所が弁護士の存在を前提としている以上、それに合わせて弁護士に依頼して、手続を代理してもらった方が無難です。

弁護士を選ぶときは、法人破産などの倒産案件に慣れた弁護士に依頼するべきです。

弁護士法人泉総合法律事務所には、倒産事件に関する多くのノウハウがあります。各種実績も豊富ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

東京都にある地方裁判所・簡易裁判所

地方裁判所名 住所・電話番号
東京地方裁判所 住所 〒100-8920 東京都千代田区霞が関1-1-4
電話 03-3581-5411(代表)
東京地方裁判所民事執行センター 住所 〒152-8527 東京都目黒区目黒本町二丁目26番14号
電話 03-5721-4630(執行手続案内係)
東京地方裁判所立川支部 住所 〒190-8571 東京都立川市緑町10-4
電話 ダイヤルイン一覧
19 23
【電話受付】平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:30