用語集

あ行

アンダーローン(あんだーろーん)

住宅ローンの残高が住宅の価値を下回ること。住宅の時価から住宅ローンの残高を引いた額が、破産・個人再生手続上資産と判断されます。

異時廃止事件(いじはいしじけん)

破産手続開始決定後に、破産財団で破産手続の費用をまかなうことができないと認められる場合に、破産手続きを終了(廃止)すること。

破産手続きでは、破産管財人が,破産者である法人・会社の財産を調査し換価処分をしますが、破産者に換価処分すべき財産がほとんどなく、破産手続き費用さえ賄えない場合には、破産手続きを続けていく意味がないため、破産手続きを終了(廃止)します。

破産手続きの廃止には「同時廃止」と「異時廃止」があります。
「同時廃止」は、破産手続開始と同時に手続きを廃止するのに対して、「異時廃止」は、破産手続開始決定後に手続きを廃止します。

一括請求(いっかつせいきゅう)

返済の遅滞等により期限の利益が喪失した場合に、債権者が返済期限の到来していないものも含めて借金全額を返済するよう求めること。

一括返済(いっかつへんさい)

債務者が自ら期限の利益を放棄して、債権者に返済期限の到来していないものも含めて借金の全額を返済すること。

オーバーローン(おーばーろーん)

住宅ローンの残高が住宅の価値を上回ること。

か行

会社更生(かいしゃこうせい)

会社更生とは、「更生計画」と呼ばれる事業の再生計画を立て、一定の債権者の同意と裁判所の認可を得られたら、その更生計画を実行し業務を継続しながら事業の再建を図る手続のことをいいます。
株式会社のみが適用できます。また、会社更生は大規模な内容になることが多く、大企業に適しています。

再建のための手続としては、他に「民事再生」もありますが、会社更生では、一般的に会社の経営陣が交代することになります。

介入通知(かいにゅうつうち)

債務整理の依頼を受けた弁護士が各債権者に依頼を受けた旨を伝える文書のこと。

「受任通知」と同義で、貸金業者等の債権者がこの通知を受け取った後は、債務者に直接請求行為を行うことが法律上禁止されています。

貸金業法(かしきんぎょうほう)

貸金業者の業務等について定めている法律のこと。

貸金請求事件(かしきんせいきゅうじけん)

貸金業者等の債権者が貸金の返還を求めて債務者に対して起こしている訴訟のこと。

過剰融資(かじょうゆうし)

返済能力以上の貸付を行うこと。

過払い金(かばらいきん)

消費者金融などの貸金業者に対して、利息制限法の上限を超えて払いすぎていた利息のこと。

仮差押え(かりさしおさえ)

債権者が、後の強制執行のために、債務者の財産を予め仮に差し押さえておくこと。これにより、債務者は仮差押えされた財産を自由に使うことができなくなります。

管轄(かんかつ)

「裁判管轄」ともいい、裁判手続きをどの裁判所が担当するのかという分担の取り決めのことです。
破産事件の「職分管轄」は地方裁判所にあります。
「土地管轄」といって、どの地方裁判所が担当するかは債務者によって決まります。原則として、債務者が事業者である場合は、その主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所となり、債務者が事業者でない場合には、債務者の住所地を管轄する地方裁判所となります。

元金(がんきん)

融資を受けたもともとの金額のこと。

換金行為(かんきんこうい)

転売目的でクレジットカードを使って金券等を購入し、その代金の支払いをする前に転売してしまうこと。破産法上、免責不許可事由に該当します。

管財事件(かんざいじけん)

破産手続を申し立てた人に一定金額以上の財産がある場合や浪費等の免責不許可事由がある場合に、裁判所によって「破産管財人」が選任され、財産の管理・調査・換価・債権者への配当等や免責の調査が行われます。この破産管財人が選任される破産手続のことを「管財事件」と呼びます。

これに対して、破産者に財産がなく、破産手続きをまかなえない場合には、破産管財人が選任されず、破産手続きの開始決定と同時に破産手続きが終了します。この手続きのことを「同時廃止事件」と呼びます。

官報(かんぽう)

「官報」とは国が発行する新聞のようなもので、法令の公布や国の広報など、国民に幅広く知ってもらいたい内容が記載されます。行政機関の休日以外は毎日発行されています。
破産手続きにおいては、申立人の氏名・住所が記載されます。

官報公告費(かんぽうこうこくひ)

官報に情報を掲載するために必要な費用のこと。破産・個人再生の場合には、申立人の氏名・住所が官報に掲載されますが、破産・個人再生の手続を進めるために、官報公告費を裁判所に納める必要があります。

期限の利益(きげんのりえき)

融資を受けた際に、当初の契約どおりに遅滞なく返済を行っていれば、期限がくるまで返済をしなくてもよいこと。

求償権(きゅうしょうけん)

債務者が返済すべきお金を保証人などの債務者以外の第三者が代わりに返済した場合に、その第三者が債務者に対してその分の返還を請求することができる権利のこと。

強制執行(きょうせいしっこう)

判決など債務名義に示された請求権を実現するために、強制的に債務者の財産から債権者が当該債権を回収する手続のこと。

懈怠約款(けたいやっかん)

約束どおりの支払を怠った場合に支払う遅延損害金についての定めのこと。

検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)

債権者が保証人に支払を請求した場合に、保証人が債務者に資力があることを証明して、債権者の請求を拒むこと。なお、連帯保証人には検索の抗弁権はありません。

口座凍結(こうざとうけつ)

口座凍結とは、振り込み・引き出しや引き落としなど、口座を使った取引が基本的にできなくなること。

金融機関からの借入金について債務整理を行う場合、債権者である金融機関は、弁護士から受任通知を受け取ると、債務者の口座を凍結し、残っている預貯金を残債との相殺に充てます。

個人再生(こじんさいせい)

個人再生とは、個人の債務整理において、裁判所を介して、借金を大幅に減額してもらう手続きのこと。
一般的には、資産を処分せずに、住宅ローン以外の借金を大幅に減らしてもらい(住宅ローン特則を利用した場合)、その借金を原則3年間(最長5年間)で返済していく手続です。

さ行

サービサー(さーびさー)

債権の回収を専門で行っている業者のこと。

債権者(さいけんしゃ)

お金を貸している人のこと。

債権者集会(さいけんしゃしゅうかい)

破産手続において、債権者に破産事件の進捗状況を報告し、また、債権者の意見を聞いて破産手続きに反映させるために、裁判所の管理下のもとで開催される集会のこと。

債権者平等の原則(さいけんしゃびょうどうのげんそく)

同一の債務者に対して、複数の債権者がいる場合は、債権発生の原因や時期にかかわらず、すべての債権者はその債権額に応じて、債務者のすべての財産の中から平等に返済を受けられる原則のこと。

債権譲渡(さいけんじょうと)

ある債権者が有している債権を、内容を変えずに他の者に移転させること。債権譲渡がされると、債権を譲り受けた者から、債務者に請求がされることとなります。

催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)

債権者が保証人に返済を求めてきた場合に、保証人が債権者に対して、まずは主債務者に請求するよう主張できる権利のこと。なお、連帯保証人には催告の抗弁権はありません。

財団債権(ざいだんさいけん)

破産者に対する債権のうち、破産手続によらずに、破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいいます。

財団債権の具体例としては、破産管財人に対する報酬や、破産財団の管理・換価・配当にかかる費用、破産手続開始前に生じていた租税のうち一定限度、破産者の従業員(使用人)の給料や退職金の一部などがあります。

債務者(さいむしゃ)

お金を借りている人のこと。

債務整理(さいむせいり)

過払い金返還請求、任意整理、個人再生、自己破産など、借金を整理するための手続。

債務名義(さいむめいぎ)

強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書のこと。確定判決などがこれにあたります。債務名義は強制執行を実施する際に必要となります。

裁量免責(さいりょうめんせき)

破産者に免責不許可事由がある場合であっても、破産手続開始の決定に至った諸般の事情を考慮して、裁判所が免責を許可してよいと判断した場合には、その裁量によって、免責許可の決定をすることをいいます。

差押禁止財産(さしおさえきんしざいさん)

法律上、差押が禁止されている財産のこと。生活必需品などが該当します。

資格制限(しかくせいげん)

破産手続中に、警備員など特定の仕事に就けなくなること。

時効の援用(じこうのえんよう)

時効によって利益を受ける者が、時効が成立したことを債権者に主張すること。時効の援用をして初めて時効の効力が確定的に生じます。

時効の更新(じこうのこうしん)

裁判を起こされるなど、一定の事実があった場合にそれまで進行してきた時効の期間が振り出しに戻ること。民法改正前は,「時効の中断」と呼ばれていました。

自己破産(じこはさん)

裁判所に申し立てることにより、税金など一定の債務を除き、債務の支払義務を免除してもらうこと。一定の財産は換金され、債権者に配当されることとなります。

自己破産を申し立てた後、同時廃止手続と管財手続に振り分けられます。

自然人(しぜんじん)

権利義務の主体となる個人(人間)のことを指します。
対する用語として「法人」があります。

支払停止(しはらいていし)

「支払停止」とは、債務者が、支払不能であることを外部に示す行為のこと。

たとえば、弁済不可能な旨を記載した通知や張り紙をすること、弁護士からの破産申立予定との受任通知、取り立てを免れるための夜逃げなどが、該当します。

支払停止が認められると、債務者が「支払不能」であることが推定されます。

支払不能(しはらいふのう)

「支払不能」とは、債務者が支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態のことです。

法人の破産手続開始原因には、「支払不能」と「債務超過」の2つがあります。

自由財産(じゆうざいさん)

破産財産に帰属せず、破産者が手元に残して自由に管理・処分できる財産のこと。

破産手続き開始後に取得した財産、99万円以下の現金、差し押さえが禁止された財産、破産管財人により破産財団から放棄された財産などが、該当します。

自由財産拡張(じゆうざいさんかくちょう)

破産者が手元に残して自由に管理・処分できる「自由財産」については、破産法で定められています。ただし、それ以外の財産でも、破産者の経済的更生のために必要と認められる一部の財産については、裁判所が自由財産として認める決定をすることがあります。これを「自由財産拡張」といいます。

受任通知(じゅにんつうち)

債務整理の依頼を受けた弁護士が各債権者に依頼を受けた旨を伝える文書のこと。

「介入通知」と同義で、貸金業者等の債権者がこの通知を受け取ったあとは、債務者に直接請求行為を行うことが法律上禁止されています。

準自己破産(じゅんじこはさん)

法人破産において、債務者である法人が自ら破産を申し立てることを「自己破産」といいます。
法人が破産を申し立てるためには、意思決定機関である取締役全員の同意(取締役会設置会社においては取締役会の決議)が必要となりますが、破産申立てに反対している取締役がいる場合など、全員の同意が得られない場合には、一部の取締役が、債務者である会社に準ずる者として申立人となり破産の申し立てをします。この手続きを「準自己破産」といい、準自己破産の申立てをすることができる者のことを「準債務者」といいます。

準自己破産では、自己破産と法的な効力は同じですが、債権の存在や、破産手続開始の原因となる事実を「疎明」(一応確からしいと思える程度の証拠を提出)する必要があります。これは、準債務者が法人に嫌がらせをする目的で準自己破産を申し立てることを防ぐためです。

少額管財事件(しょうがくかんざいじけん)

少額管財事件とは、裁判所に支払うべき納付金の金額を通常の管財事件よりも大幅に低い金額とした破産事件のことです。

信用情報機関(しんようじょうほうきかん)

クレジットやローンの申し込みや取引の状況、延滞や債務整理などの記録を保管している機関のこと。CICとJICC(日本信用情報機構)と全国銀行個人信用情報センターがあります。銀行や消費者金融、クレジット会社がそれぞれ加盟しており、登録されている情報を元に審査を行っています。

即日面接(そくじつめんせつ)

破産を申し立てた際に、申し立てた当日、もしくは3日以内に弁護士と裁判官が面接し、申し立てた破産事件について弁護士から裁判官に説明する手続のこと。この手続きを経て、裁判官は、申し立てられた破産手続をどのように処理するか決定します。東京地方裁判所をはじめ、いくつかの裁判所で行われています。

た行

代位弁済(だいいべんさい)

保証人が債務者に代わって借金の返済をする場合のように、弁済による代位という法的な効果が生じる弁済のことを言います。
弁済による代位とは、債務者以外の者が債務者に代わって弁済することにより、その弁済者に、代位した分についての求償権が生じるだけでなく、債権者の権利を代位して行使することを認めるものです(民法499条、501条)。

第三者破産(だいさんしゃはさん)

破産の申し立てについて、債務者が申し立てる場合を「自己破産」といいます。一方、債権者が申し立てる場合を「第三者破産」といいます(債権者破産ともいいます)。

第三者破産の場合、債権の存在や、破産手続開始の原因となる事実を「疎明」(一応確からしいと思える程度の証拠を提出)する必要があります。また、第三者破産を申し立てる際には、手続費用として予納金を納付する必要があります。

多重債務者(たじゅうさいむしゃ)

複数の債権者から借金をし、その返済が困難になっている人のこと。

担保(たんぽ)

債務者が返済をしない場合に備えて、債務者が債権者に提供するもの。保証人のように人の場合(人的担保)と、抵当権のように特定の財産に設定される場合(物的担保)があります。

抵当権(ていとうけん)

債権を担保するために、債務者(または物上保証人)の不動産に対して設定する担保権です。債務者(または物上保証人)はその不動産を利用し続けることができますが、債務の弁済がなされなかった場合、債権者はその不動産を売却(競売)して得られた金銭から他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができます。

同時廃止事件(どうじはいしじけん)

破産者に破産手続の費用をまかなうことができないと認められる場合に、破産手続の開始決定と同時に破産手続を終了(廃止)すること。

破産手続では、破産管財人が、破産者である法人・会社の財産を調査し換価処分をしますが、破産者に換価処分すべき財産がほとんどなく、破産手続費用さえ賄えない場合には、破産手続を続けていく意味がないため、破産手続きを終了(廃止)します。

破産手続の廃止には「同時廃止」と「異時廃止」があります。
「同時廃止」は、破産手続開始と同時に手続を廃止するのに対して、「異時廃止」は、破産手続開始決定後に手続を廃止します。

ただし、法人破産(会社破産)の場合、個人と比較して権利義務関係が複雑であり財産の調査が必要となるため、通常、全件が管財事件となりますので、同時廃止事件とはなることはありません。

取引履歴(とりひきりれき)

債権者が保有する債権者と債務者の取引の全てが記載されたもの。過払い請求をする場合には、取引履歴をもとに法定利息に引き直して計算します。

な行

任意整理(にんいせいり)

裁判所を介さずに、将来利息の削減や返済の分割回数について債権者と交渉し、和解をすること。

任意売却(にんいばいきゃく)

抵当権のついている不動産を保有している場合に、抵当権を有する債権者の同意のもと、不動産を売却し、その代金から抵当権者に対して返済すること。

競売よりも高い金額で売れることも多く、売却代金から引越し費用などを債権者が債務者に渡してくれることもあります。

は行

配当(はいとう)

破産財産に帰属する財産を換価した得られた金銭を、それぞれの債権額に応じて債権者に分配する手続きのこと。

破産管財人(はさんかんざいにん)

破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者で、破産手続開始決定と同時に裁判所から選任されます(通常は弁護士)。

破産債権(はさんさいけん)

破産手続開始前の原因によって生じた財産上の請求権のこと。企業の売掛金や未収金、貸付金などが該当します。

「破産債権」は、破産手続によって決定された配当によって、一部または全部の返済を受けます。
一方、「財団債権」は、破産手続によらずに、破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいいます。

破産財団(はさんざいだん)

破産手続開始時に破産者に属していて、債権者に対する配当の元手となる財産のこと。
破産手続開始決定と同時に、財産を管理・処分する権利は、破産者から破産管財人に移転します。

破産者(はさんしゃ)

裁判所で破産手続開始決定を受けた債務者のこと。

法人・会社の破産の場合は、その法人・会社が破産者となります。
個人破産の場合には、その個人が破産者となります。

破産手続開始決定(はさんてつづきかいしけってい)

裁判所が「破産手続きを始める」と決定すること。
破産手続開始決定をもって、破産手続きが始まります。

破産手続開始決定を受けるためには、
・「破産手続開始の原因となる事実」があること
・「破産障害事由がない」、すなわち、破産手続を開始できない事由(たとえば「破産手続費用の未納」や「不誠実な申立て」等)がないこと
の2つの条件を満たす必要があります。

破産手続開始決定をもって、以下のような効果が生じます。
・破産者の財産を管理・処分する権利が、破産者から破産管財人に移転します。
・破産手続き以外のところで、破産債権を処分することができなくなります。
・債権者による強制執行手続きができなくなります。

破産犯罪(はさんはんざい)

破産犯罪とは、破産手続きにおいて、債権者の利益を害する一定の行為を犯罪として刑罰を課すものです。たとえば、債務者が破産財産を勝手に処分したり損壊して価値を失わせる行為などを指します。

否認権(ひにんけん)

否認権とは、破産手続開始前になされた、破産者またはこれと同視できる第三者による、破産債権者を害する行為を否認して、その行為の効力を失わせるという破産管財人の権限のことをいいます。
破産手続開始前に、破産者が特定の債権者のみに弁済したりすると、破産財団から財産が流出し破産債権者に対する公平な分配が害されますので、否認権の行使により、流出した財産の回復を図ります。

非免責債権(ひめんせきさいけん)

裁判所による免責許可決定がなされても免責されない債権のこと。

具体的には、租税・罰金等の請求権、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権、婚姻費用分担の請求権、養育費の請求権などがあります。

復権(ふっけん)

復権とは、破産手続開始により破産者に課せられた各種の権利・資格制限がなくなり、破産者の本来の地位を回復させることをいいます。

破産手続開始決定を受けると、破産者は、一定の職業制限(警備員や保険外交員等に就けない)を受けますが、これらは破産手続きの間だけの制限です。免責許可の決定が確定すれば、本来制限はなくなって当然ですので、「復権」により、この制限を解除します。

ブラックリスト(ぶらっくりすと)

実際にブラックリストという名簿があるわけではなく、一般に個人信用情報に事故情報(異動情報)が登録された状態をさします。

別除権(べつじょけん)

破産手続きにおいて、破産者の財産に対して抵当権などの担保権を有する担保権者が、破産手続によらないで、担保権を実行し、一般債権者に優先して個別的に弁済を受ける権利のこと。

別除権者は、担保権の実行により弁済を受けられない部分の債権についてのみ、破産債権者として手続きに参加できることになります。

偏頗弁済(へんぱべんさい)

債務者が、複数の破産債権者のうち特定の債権者のみに弁済すること。
偏頗弁済を行うと、他の破産債権者は、破産者が偏頗弁済をしなければ得られたであろう配当を得られないことになり、「債権者平等の原則」に反することになります。

そのため、否認権により、偏頗弁済の効力が否定され、弁済を受けた者が返還を求められることがあります。また、免責不許可となる可能性があります。

法人(ほうじん)

自然人(個人)でないが、法律上の権利・義務の主体とされているもの。
株式会社、有限会社、社団法人、財団法人など。

保証人(ほしょうにん)

債務者が返済できなくなった場合に、債務者に代わって債権者に返済をする義務を負う人のこと。

ま行

未払給与立替払制度(みばらいきゅうよたてかえばらいせいど)

企業が倒産したために、賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、独立行政法人労働者健康安全機構という国の機関が事業主に代わって未払賃金の一部をを立替払いする制度のことです。

立替払いをする金額は、未払賃金の額の8割です。ただし、退職時の年齢に応じて88万円~296万円の範囲で上限が設けられています。

民事再生(みんじさいせい)

民事再生とは、事業の再生計画を立て、債権者の多数の同意と裁判所の認可を得られたら、その再生計画を実行し業務を継続しながら事業の再生を図る手続のことをいいます。

「破産」の目的は会社を消滅させることですが、「民事再生」の目的は会社を再建し存続させることです。

再建のための手続としては、他に「会社更生」もありますが、民事再生では原則として、会社の経営陣が交代せずに会社の再建を図ります。

免責(めんせき)

裁判所の許可により、破産債権者に対して、債務を返済する義務を免れることをいいます。

ただし、「免責不許可事由」がある場合、免責が許可されないことがあります。また、非免責債権については、免責されません。

免責審尋(めんせきしんじん)

免責を許可しても良いかどうか判断するために、裁判官が破産者に対して面接を行うことです。原則、破産者本人が出席する必要があります。

免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)

「免責不許可事由」があると、裁判所は、免責を許可しないことがあります。

免責不許可事由の具体例としては、債権者を害する目的での財産の隠匿・損壊等、浪費・ギャンブル、非義務的偏頗行為(法的な義務がないのに、特定の債権者のみに弁済をしたりする行為のこと)、裁判所の調査に対する虚偽の説明等があります。

申立代理人(もうしたてだいりにん)

破産手続を申し立てようとする債務者から、破産を申立てることを委任された代理人のこと。
弁護士は「申立代理人」になることができますが、司法書士は書類作成のみで「申立代理人」になることはできません。

や行

優先的破産債権(ゆうせんてきはさんさいけん)

優先的破産債権とは、他の破産債権より優先して弁済を受けることができる破産債権のことです。

自己破産の手続きにおいて、債権は「財団債権」と「破産債権」の2つに分けられます。
「財団債権」は破産手続きによらずに、随時支払いを受けることができます。
「破産債権」は破産手続きによって支払いを受けますが、破産債権の中でも、「優先的破産債権」「一般債権」「劣後的破産債権」の3つに分類され、この順に支払いを受けることができます。
つまり、優先的破産債権は、他の破産債権よりも優先して弁済を受けることができます。

優先的破産債権の例として、財団債権とならない部分の租税等、共益費用や未払い給料などがあります。

予納金(よのうきん)

破産手続の申し立てに際して、手続き費用として裁判所に支払わなければいけない金銭のこと。具体的な金額は、負債総額、債権者数、資本金額、事業の内容等の諸事情を考慮して決められます。

予納金が納付されていない場合は、破産手続きの申し立てが却下されます。

ら行

利息制限法(りそくせいげんほう)

貸付を行う際の金利の上限等を規定している法律。

劣後的破産債権(れつごてきはさんさいけん)

劣後的破産債権とは、他の債権より劣後して弁済を受けることができる債権のことです。

自己破産の手続きにおいて、債権は「財団債権」と「破産債権」の2つに分けられます。
「財団債権」は破産手続きによらずに、随時支払いを受けることができます。
「破産債権」は破産手続きによって支払いを受けますが、破産債権の中でも、「優先的破産債権」「一般債権」「劣後的破産債権」の3つに分類され、この順に支払いを受けます。
劣後的破産債権は、財団債権,優先的破産債権,一般債権が全額支払われた後に弁済を受けることができます。

劣後的破産債権の例として、破産手続開始後の利息、損害金等があります。

連帯債務者(れんたいさいむしゃ)

同じ債務について、それぞれ独立して債務者として責任を負っている複数の債務者のこと。

連帯保証人(れんたいほしょうにん)

債務者が債務を返済しない場合に、債務者と連帯して全額を返済することを約束した保証人のこと。
連帯保証人は、通常の保証人とは異なり、検索の抗弁権、催告の抗弁権、分別の利益を有しません。

労働債権(ろうどうさいけん)

事業者が破産手続きを開始した際、その事業者に使用されている労働者が、賃金や退職金等を事業者に対して請求する権利のことです。
労働者は、破産手続開始前3ヶ月分の給料および退職手当の一部の請求権を財団債権とし、破産手続によらずに支払いを受けることができます。

また、その他の給与・退職金についても優先的破産債権として、他の破産債権に優先して配当を受けることができます。

わ行

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