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債権回収の重要知識

債権回収は自分でできる?回収方法・自分で対応するリスクなど

債権回収を弁護士に依頼すると費用がかかるため、ご自身で対応することを検討している債権者の方もいらっしゃるかと思います。

債権回収を債権者自身で行うことも不可能ではありませんが、弁護士による対応と比べると、ある程度リスクが生じてしまうことを覚悟しなければなりません。

今回は、債権回収を債権者自身で行う場合の手続きの流れや、弁護士に相談せずに債権回収を行うことのリスクなどを解説します。

1.債権回収は自分だけで行うことも可能

債権回収を行う際、弁護士に依頼することは必須ではなく、債権者自身で対応することも可能です。

債権回収の方法には、後述するように、内容証明郵便による催告や法的手続きの利用がありますが、弁護士への依頼が要件となっている手続きはありません。

したがって、債権者本人による債権回収も、弁護士に依頼する場合と同様の方法を用いて行うことができます。

ただし、債権者自身で債権回収を行うことには、後述するようにさまざまなリスクが存在します。

そのため、弁護士に依頼せずに債権回収を行う場合は、リスクに注意して慎重に対応すべきでしょう。

2.債権回収の大まかな流れ

弁護士に依頼するか、債権者自身で対応するかにかかわらず、債権回収は大まかに以下の流れで行います。

(1) 請求額を決定する

債務者に対する請求を行う際には、支払うべき金額を特定しなければなりません。
そのため、まずは債務者に対する請求額を決定する必要があります。

債務者に対して請求可能な債権は、発生済みの債権のうち、弁済期が到来しているものです。
契約書の内容を確認して、弁済期到来済みの債権の金額を確定しましょう。

(2) 内容証明郵便による支払い催告を行う

請求できる債権の金額が明らかになったら、債務者に対して内容証明郵便を送付し、債務を履行するように催告しましょう。

内容証明郵便を送付すると、郵便局が差出人・受取人・差出日・郵便物の内容を証明してくれます。
このように、内容証明郵便は信用性の高い文書であるため、内容証明郵便による支払い催告を行うと、債務者に対して債権回収の本気度が伝わりやすいです。

また、内容証明郵便による催告を行うと、債権の消滅時効の完成を猶予する効果も発生します(民法150条)。

以上の特徴から、内容証明郵便による催告は、債権回収に向けた最初のアクションとして適しているといえるでしょう。

(3) 裁判所に支払督促を申し立てる

債務者が任意に債務を支払わない場合、裁判所に支払督促を申し立てることが次の手段として考えられます。

参考:支払督促|裁判所

支払督促とは、裁判所が債権者からの申立てを受けて、債務者に対して債務を履行すべき旨の督促を行う手続きをいいます。

債務者が支払督促を受領してから2週間以内に適法な異議申立てが行われない場合には、債権者は裁判所に対して、仮執行宣言を申し立てられるようになります。

仮執行宣言付支払督促が発せられると、債権者はそれを債務名義として用いて、強制執行を申し立てることができます(民事執行法22条4号)。

支払督促は、申立てから短期間で債務名義を獲得し、強制執行の手続きに移行できる可能性がある点が大きなメリットです。

(4) 裁判所に訴訟を提起する

支払督促(または仮執行宣言付支払督促)に対して、債務者が異議を申し立てた場合、自動的に訴訟手続きへと移行します。
また、支払督促の段階を飛ばして、裁判所に訴訟を提起することも可能です。

訴訟では、証拠によって債権の存在を立証しなければならないため、主張書面(訴状・準備書面)や証拠資料の準備を周到に行う必要があります。

また、訴訟は半年~1年以上の長期間に及ぶ可能性があることも、覚悟しておかなければなりません。

なお、回収しようとする債権額が60万円以下の場合に限り、少額訴訟の手続きを利用することも可能です。

少額訴訟の審理は原則として1回で終了し、かつ控訴が認められていないため、迅速に判決が確定するメリットがあります。
少額訴訟であれば、弁護士なしでも比較的対応しやすいので、債権額が60万円以下の場合は少額訴訟の利用をご検討ください。

参考:少額訴訟|裁判所

(5) 債務名義を得た後、強制執行を行う

仮執行宣言付支払督促や確定判決などの債務名義を獲得すると、強制執行を申し立てることができるようになります。

[参考記事] 強制執行の手続きを行う方法|申立書の内容・流れなど

強制執行を申し立てる際には、差し押さえるべき債務者財産を特定しなければなりません。
そもそも、債務者が財産を持っていなければ、強制執行は空振りに終わってしまいます。

そのため、支払督促の申立てや訴訟の提起を行う前に、民事保全法上の仮差押を申し立て、債務者財産の流出を阻止しておきましょう(民事保全法20条1項)。

[参考記事] 債権回収に向けた仮差押えとは?

また、債務者がどのような財産を所有しているかわからない場合は、債務名義を得た後に「財産開示手続」(民事執行法196条以下)や「第三者からの情報取得手続」(同法204条以下)を通じて、債務者財産を調査することが可能です。

財産開示手続では、債務者本人に対して、所有する財産に関する陳述が義務付けられます。

また第三者からの情報取得手続では、裁判所から官公庁や金融機関に対して、債務者が所有する不動産や預貯金債権に関する情報の提供が命じられます。

[参考記事] 強制執行の手続きを行う方法|申立書の内容・流れなど [参考記事] 財産開示手続とは|流れは?無視された場合はどうする?

強制執行の申立てと併せてこれらの手続きの申立ても行うのは煩雑ですが、債務者の財産を把握できない場合には何とか対応するほかないでしょう。

3.自分で債権回収を行うことのデメリット

弁護士に相談せず債権者自身で債権回収を行うことには、いくつかのデメリットが存在します。

以下のデメリットを覚悟したうえで、あくまでも債権者ご自身で対応するのか、それとも費用はかかるものの弁護士に依頼するのかをご判断ください。

(1) 手間と時間がかかる

請求の準備や債務者・裁判所への対応を行う際、手間と時間が非常にかかる点は、自分で債権回収を行うことの大きなデメリットといえるでしょう。

支払督促や訴訟、さらに強制執行などの法的手続きを利用する場合、必要書類の準備だけでもかなりの手間と時間がかかります。

特に訴訟については、口頭弁論期日に自ら出席したうえで、法律のルールに従った主張・立証をしなければならず、慣れていない方にとっては大きな負担になる可能性が高いです。

債権回収の手続きには半年~1年以上の長期間を要するケースも多く、その間煩雑な対応をこなさなければならないことを覚悟しておきましょう。

(2) 債務者に対して債権回収の本気度が伝わりにくい

内容証明郵便による催告を行う際、弁護士名義ではなく、債権者本人の名義で送付すると、債務者に対して債権回収の本気度が伝わりにくい場合があります。

法的手続きをとる前に、任意の支払いによって迅速に債権回収を完了したい場合には、内容証明郵便の送付を弁護士に依頼する方が効果的でしょう。

(3) 証拠資料の不足により請求が認められない可能性

訴訟を通じて債権回収を図る場合、証拠を用いて債権の存在を立証しなければなりません。
逆に言えば、訴訟における立証が不十分な場合、本来は債権を有しているにもかかわらず、債権の存在が認定されないという事態が起こり得るのです。

債権者自身で債権回収訴訟を提起した場合、法律の要件に関する検討に抜け漏れが生じ、訴訟における立証に失敗してしまうケースがよくあります。
債権回収に関する立証の成功率を高めたい場合には、弁護士に依頼する方が得策でしょう。

(4) 適切な債権回収方法を見極めるのが難しい

債権回収の方法には、すでに解説した内容証明郵便による催告・支払督促・訴訟などに加えて、相殺や担保権の実行など、さまざまなパターンが考えられます。
迅速・円滑に債権回収を行うためには、状況に合わせた適切な債権回収方法を選択することが大切です。

しかし、債権者自身で債権回収を行う際には、選択肢としてどのような方法がとり得るかを把握しにくい難点があります。
そのため、たとえば「とりあえず訴訟」といった形で訴訟を申し立て、結果的にかなりの手間と時間を要してしまうなどの事態に陥りかねません。

弁護士にご依頼いただければ、さまざまな選択肢の中から適切な債権回収方法についてアドバイスいたしますので、スムーズに債権回収を実現できる可能性が高まります。

4.債権回収は弁護士への相談がお勧め

債権回収は、債権者自身で対応することも不可能ではありませんが、手間や時間がかかる点、および適切な手続き選択や準備がしにくい点など、さまざまなデメリットが存在します。

円滑に債権回収を実現したい場合には、ある程度弁護士費用は掛かりますが、弁護士にご依頼いただくことをお勧めいたします。
弁護士に債権回収を一任することで、債権者ご自身は手間や労力から解放されますし、法的な観点から債権回収を強力に推進することが可能になります。

泉総合法律事務所では、正式なご依頼前の債権回収に関するご相談は無料でお受けしております(※回収額200万円以上の場合)。ぜひお気軽にご相談ください。

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