飲食業
借入理由
店舗出店資金と運転資金
負債総額 |
約3,200万円 |
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債権者数 |
4名 |
ご相談後の負債総額 |
0円 |
[事例20]
債務発生から相談まで
代表者様は、個人で行っていた飲食店を拡大していく資金調達のため、会社を設立して経営を開始されました。その後、売上ものび、最初の店舗以外にも店舗を出店していき、最大で5店舗の経営を行っておられ、従業員数も50名近く雇用されておりました。しかし、不況の影響や客足の伸び悩みから、徐々に売上が減っていき、税金や社会保険料の遅滞や滞納が増えていきました。店舗も一店、また一店と閉鎖を余儀なくされ、従業員に譲渡するなどして最終的に一店舗のみの経営に戻ってしまい、税務署や年金事務所からの督促も厳しく、代表者様は会社を閉じることを決められ、当事務所へ相談に来られました。
弁護活動の内容
本件は、税金関係の滞納が債務の大部分を占めた案件でした。ポイントとなったのは、従業員に譲渡した店舗にかかる賃貸借契約や設備のリース契約等でした。店舗の賃借時に差し入れている保証金は、会社の資産となり、清算が不適当な場合、譲受人の方、もしくは、賃貸人の方に返却を求める必要性があります。リース物件については、原則、リース契約を解約の上、リース会社に返却が必要となりますので、譲受人の方が継続して利用するのは不可能な場合があります。本件の代表者様は、保証金の清算は適切に行われておりましたが、リースの処理が不十分な状態でした。このため、譲受人の方に説明を行い、リース会社に物件返却を行うなどを当事務所にて行いました。また、他の店舗につきましても、閉店時の清算状況などが適切かどうかの調査を行いました。
結果
保証金の清算状態等も正確に報告することができ、リース契約に基づく債務も正確に申告することができたため、店舗の閉店時の債権債務の状態については、破産管財人による確認作業のみで終了し、手続も無事に終了致しました。
弁護士からのコメント
本件は、閉店した店舗の賃貸借契約書と解約時の資料、設備のリース契約書などの資料を代表者様が保管していたことで、申立準備の段階で債権債務の調査が十分に行えたことが手続を簡略化できた要因だったと思われます。もし、資料がなかった場合、破産管財人が店舗大家さんや、実際の物件利用者の方に問合せをするなど多大な労力を強いてしまう可能性もありました。会社倒産時や廃業を決意される時、精神的にも疲労され、自暴自棄になってしまわれる方もおられますが、最終的に不利益を被ってしまう可能性もありますので、会社の営業停止を決断された際には、お早目に専門家への相談をご提案致します。