不動産業
借入理由
利益率悪く、経費負担の借入
負債総額 |
約4,700万円 |
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債権者数 |
21名 |
ご相談後の負債総額 |
0円 |
[事例14]
債務発生から相談まで
代表者様は、不動産会社に長年勤務されておりましたが、会社の売上低迷もあり、独立開業を決意され、会社経営を開始されました。個人顧客を対象にした新築住宅の施工請負やリフォーム業をなされており、代表者様の長年の経験をいかし、営業活動に力をいられ、順調に売上をあげられていきました。主としては、受注単価も大きい新築住宅の施工請負で、売上額は大きいですが、売掛金回収までのつなぎ資金などは借入にて用意をされておりました。また、どうしても大手不動産会社などとの競争に勝つためには、価格を低く利益を薄くとなってしまい、資金繰りは徐々に悪化されていきました。結果として、主力の新築施工の受注が数ヵ月ないことが頻繁にあり、売上改善の打開策もないことから、経営に行き詰まり借金負担があったため、代表者様は、当事務所へ相談に来られました。
弁護活動の内容
不動産管理業務も行い、家賃の管理回収代行も行っておられたため、各大家さんに回収方法変更等含めた事前整理が必要でした。このため、代表者様ご自身に管理不動産を明確にしていただきましたが、抜け漏れがないように、当事務所にて預金通帳の出入金を確認し、賃貸人、賃借人双方を一つ一つ確認していきました。また、大家さんには、代表者様のつながりで新たな不動産管理候補業者を紹介するなどもして混乱を収めていただきました。
ただ、当事務所委任後に会社の口座に入ったお金については、いたずらに大家さんに渡したり、入居者の方にもどしたりすると、一部債権者への支払という手続きに反する行為として代表者様自身は当然ながら、大家さんと入居者の方にも裁判所が返還を求めるなども不利益を被らせてしまう可能性がありましたので、その点は、賃貸人、賃借人の方にご理解とご協力をいただく必要がありました。
結果
本件は、金融機関や取引先企業だけでなく、個人の不動産オーナー様も債権者としておられた案件で、上述のとおり、賃借人の方の賃料の回収代行を行っていたため、手続きにあたって賃貸人オーナー様に賃料を渡せない案件でした。ただ、代表者様自身と当事務所によるお詫びと手続きの説明をご理解いただき、手続きに参加いただくことができました。結果としては、税金の未納があったことから、一般債権まで配当がまわらず、オーナー様に賃料の一部でも配当することはできませんでしたが、代表者様の説明とお詫びがあったことから、オーナー様も幾分ご納得をいただけておりました。
手続自体も、事務所の明渡等も申立前にすませ、管財業務の簡略化に代表者様にご協力をいただけていたこともあり、スムーズに進み、問題なく、事件終了となりました。
弁護士からのコメント
本件は、お客様(賃貸人)からの預り金をお返しすることができない案件であったため、債権者からの異議などが強くでる可能性があった案件でした。しかし、代表者様が直接賃貸人オーナーにお詫びと説明を行われたことで、債権者からの異議などはなく、手続を進めることができました。債権回収ができなくなった債権者が感情的になられるのは、至極当然なことで、その債務者たる当事務所の依頼者の方々は委縮してお詫びもできないことがやはりございます。ただ、簡易でもお詫びを直接伝えることが重要であることを改めて感じた案件でした。もっとも、どうしても、直接債権者にお詫びの連絡をいれることは勇気がいることですので、債務でお悩みの場合は、まずは、当事務所にご相談をいただき、お詫びの方法なども含めて、ご助言させていただければ幸いに存じます。一人で悩まずに、一度、お気軽にご相談いただきますようお願い申し上げます。