堤 信一郎(つつみ しんいちろう)弁護士
―出身学校はどちらですか?
出身学校は明治大学法学部です(法科大学院には行っていません。)。
―ご相談者様と接するとき、先生が大切にしていることを教えてください。
なるべく堅苦しい雰囲気にはならないように努めています。自分自身がそういう雰囲気が苦手というのもあります。ただ、相談に来られる方は皆さん緊張されていますので、堅苦しい雰囲気にならないようにするのはなかなか難しい場面もあります。その人のお人柄や事件の内容に応じて、少なくとも不快感を持たれないようにするよう心がけています。
―債権回収事件の依頼を受けるにあたり、心がけている・気をつけていることはありますか?
債権回収についてはやはり請求の根拠となる資料をどれだけ有しているかが重要となります。請求しても支払われなければ、裁判をするしかありません。しかし、裁判の場合は、確実な資料(証拠)がなければ、早い段階で和解をしたり、判決をもらうことができず、やみくもに時間がかかってしまいます。確実な資料として契約書が挙げられるのは言うまでもありませんが、契約書がなかったとしても、請求書が残っているのであれば、その請求書とそれに対する一部返済の事実があれば強い証拠となりますし、あるいは、債務者自身が作成した返済計画などがあればそれも強い証拠となるかもしれません。債権回収事件の依頼を受けるにあたってはこの辺りの資料の確認について気を付けています。
また、債権回収の場面では迅速さも重要です。返済を滞るような債務者は、他の債権者に対しても同様のことが多く、そういう場合には、早い者勝ちの構造になります。また、時間が経つと債務者の資力が悪化してしまう場合が多いので、迅速さは重要です。
―債権回収を弁護士に依頼する意義・メリットについてお聞かせください。
お金を払わない人は払えって言ったところで払いません。それは弁護士が内容証明郵便を送っても同じで、払わない人はたくさんいます。では債権回収の場面で弁護士は何の役にも立たないのかと言うと、そうではありません。弁護士が内容証明郵便を送っても払わない人も、さすがに裁判を起こされると諦めて払う人が多いです。裁判まで起こされると強制執行されてしまうリスクが出てくるからです(もちろん完全に資力がない場合には裁判も無視されますが。)。こうして裁判まで見据えた場合、弁護士が非常に役に立ちます。また、分割払いの合意をする場合に和解条項をどうするかなどについては専門家である弁護士に任せるのが適切なのでその点でのメリットもあります。
―最後に、弁護士へ相談しようか迷っている債権回収でお困りの方にメッセージをお願いします。
弁護士へ相談しようか迷っているうちに、債務者の経済状態はどんどん悪くなっていきます。回収できるものも回収できなくなってしまう可能性が高まります。一方で、弁護士に債権回収を依頼し早期回収を目指せば、そのリスクを減らすことができます。弁護士に依頼せず回収額ゼロに近づくのもやむなしとするか、弁護士費用を払って回収額がゼロになるのをできるだけ回避するか、どちらを取るかは、債権の額や種類、債務者との関係などによって違ってくるのかもしれませんが、弁護士へ相談すれば適切なアドバイスが得られると思います。